JAPAN TEXTILE CONTEST ジャパン・テキスタイル・コンテスト2011
作品受付 11月15日〜30日 [必着
審査会 12月21日・22日
表彰式 2月
優秀作品展 2月8日〜10日

ジャパン・テキスタイル・コンテスト2010
受賞作品

審 査 総 評

審査員長 車 純子 

 たった今、すべての審査を終え、興奮と感動の余韻に浸る瞬間を楽しんでいます。テキスタイル業界にとって、変わらない厳しい状況が続いていますが、その中でも尚、これからの未来に期待が持てる、そんな情熱のうねりを感じたひと時でした。
 今年の応募作品の傾向としては、まさに「王道」を極めていく進化・前進型の傾向と、未知なる世界へのチャレンジという姿勢の2パターンが印象に残りました。最新開発の機能性原糸や、他分野の原糸など、作り手にとって今まで未知なる領域の原糸の選定、そして新しい加工への挑戦には、大いに感銘を受けます。チャレンジした場合には最後の最後に、どう纏め上げるか、そのピンポイントの落としどころの迷いが残ったかもしれませんが、しっかりと前を見つめて進む姿勢には、心地よい勇気すら感じます。また、今年の学生作品はなかなか力作でした。何よりも楽しく、みずみずしいひらめきが輝いていて、新しい世代のエネルギーを感じられました。学生さんたちが、広がるイメージと戦いながら、丁寧に作品に作り上げていく途中の姿、完成するはずの布を夢見て進む姿を想像しながら、微笑ましく、頼もしく思えてきました。このようなコンテストの存在が、大きな励ましと切磋琢磨するチャンスであることは間違いありません。

入賞リスト(敬称略)

  

素材凡例
  Ac:アクリル C: 綿  Ca:カシミア Li: 麻 N: ナイロン  Pe:ポリエステル Pp:ポリプロピレン Pu:ポリウレタン R:レーヨン  Si: 絹  W: 羊毛

入選リスト

(敬称略、五十音順)

グランプリ(経済産業大臣賞)

日置 晃
泣Aック
岐阜県羽島市

作品名 サンドシルク(砂丘の絹)

本当に素晴らしい!これは、初めての出会いです。あえてシルク100%でありながら、こうくるのかという、驚愕にも似た思いでしょうか。絹紡糸を丁寧に糸染めし、さらには強撚を繰り返しての、特徴のある糸つくりに始まり、シルクとしてはかなり密度も高くして、さらに絶妙のバランス感覚で見える繊細で上品なドビー柄、そして心地よい弾發力を持ちながらも、しなやかな風合いへの見事な着地。いい意味で当初触った感覚では、なかなかこれがシルク100%とは分からないのではないでしょうか、まさに素材の現場でたたき上げてきた卓越した技術、長年にわたり培ってきた経験や、広い知識なくしては完成できない、それでいて非常に挑戦的な「匠」の仕事です。「よい素材」とはなにか、常に皆さんが抱えてきた命題ですが、この作品に出会ってまたひとつ、日本素材がなぜ素晴らしいのか、その答えを垣間見たような気がします。より多くの方が実際に手に取って頂いて、イメージを触感で感じ取っていただきたいと切に望みます。


審査員長 車 純子 

素材

Si100%

準グランプリ(中小企業庁長官賞)

森 益一
森技術士事務所
愛知県一宮市


作品名 Fresco(Cool wool)

まさにこれを「いぶし銀の技」というのでしょうか、ウール100%で勝負してくる、ものすごい直球を受け取って、一瞬言葉を失うほどの衝撃です。清涼感のあるさらっとした触感は、実は大変奥深さを感じます。これほどまでに軽量でありながら、しっかりとした「ハリ」感には、むしろ重厚な存在感すら感じてしまいます。ウールでこんな顔も生み出せるのですね。また、さりげなく上品な色彩効果ですが、実は大変複雑な工程を経ています。丹念な柿渋の地染めに、鉄媒染の効果で黒色を生み出し、繊細で主張しすぎないビジュアルにまとめてあります。大胆な発想で緻密な企画力、卓越した技術が伴って、ここに完結するまでの、作者の情熱と技量でしょうか。この同じ作者が、デザイン賞にもまったく異なる作品で入選してくるにあたり、どれほどの深さと広さを併せ持つのか、見事としか言いようがない作者と作品です。


審査員長 車 純子 

素材

W100%

デザイン賞

森 益一
森技術士事務所
愛知県一宮市


作品名 漆黒(Black&Black)

 スエードを思わせる上質な触感、深みのある色彩、そして試行錯誤を重ねたであろうテクスチャが醸し出す美しく心地よいバランスに魅了される作品である。仕上げにいたるまでの一つ一つのプロセスが、作者のゴールイメージへの明確なこだわりを感じさせる。
 この作品の題名にある「漆黒」は黒とその優雅な光沢感を表現したいとするものであろうが、その意図は十二分に表現され、ウールとモヘアを使った上質性にとどまらず、素材の持つ創造的な可能性を強く感じさせてくれる。


                   審査員 大関 徹

素材

W60%
M40%

岩田 真幸
岩田健毛織
岐阜県羽島市


作品名 トルネードループカットチェック

 カラーバランスの取れたチェック表現をループカットシャギー、さらにそれに加えての次加工によって、元のチェックではなく新たな柄ができあがる。その色彩表現と起毛処理効果で、今日的な装飾視覚効果を持つ素材となっている。充分な市場評価も得られ、具体的アパレル商品アイテムを想像させるテキスタイルである。


                                                           審査員 竹内 忠男                  
素材

W47%
Ac40%
M7%
N6%

テクノロジー賞

小野内 政一
潟\トージェイテック
岐阜県安八郡輪之内町


作品名 next

 基本的なジャージ組織の表現でありながら、布帛を感じさせる40Gと言うハイゲージの編み立て、それに対してのデリケートな起毛加工をすることによって、ソフトな風合いを実現している。ニットの伸縮性を持ちながら、アパレル製品上では型の収まる編地表現、その加工仕上げの背景に高い技術レベルを感じさせるテキスタイル表現である。


                                  審査員 竹内 忠男

素材

C62%
Pe38%

浅野 芳信
(株)浅信
岐阜県 岐阜市


作品名 毛織絵巻

最も難しいプレーンな織物。「The 尾州」というような完成度の高い作品である。
 その滑らかで肌に心地よい風合いと流れるようなドレープ性は、原料、紡績、糸の特性、そして製織を知り尽くした緻密な計算と高い技術力に裏づけされている。シーズン、アイテムを問わず、様々なものに変化させられる素材力の高さにおいて申し分のない出来ばえである。


                                                             審査員 中口 万寿代 

素材

W100%

トレンド賞

上田 善則
滑ロ萬
兵庫県 西脇市


作品名 Fake

 作者の意図どおり、テキスタイルの近未来的表現を切り開いた作品である。題名の「フェイク」が示すとおり、見事に騙される作品である。視覚から受ける立体感を見事に裏切り、その触感はあくまでもプレーンで心地よい。クロコダイルという人気テクスチャが、その超フラットな表面から立体感のある視覚的触感となってリアルに迫ってくる。一色使いの織が生み出す反射の相違により、スタイリッシュな表情で柄が浮き上がる。その抑えられた色表現も、今や世界的トレンドになっている日本的なミニマリズムを感じさせて心地よい。


審査員 大関 徹 

素材

C47%
Cu35%
Si18%

畠山 陽子 中嶋 梨絵
センバタヤ
群馬県 桐生市



作品名 PRE‐VINTAGE

 経年変化が新たな付加価値を生むという作品。金糸がコアの綿CSYをタテ糸に用い、使い込むほどに金糸が現れるデニムという発想が面白い。ヨコウール使いで風合良く、手持ち感も軽く実用性を十分に考慮している。作者は長く愛される生地作りがしたかったとのことだが、まさに時間とともに表情を変え、使いこむほどに味わいの出る素材となった。

審査員 小森 美穂子 

素材

C68%
W22%
Pe8%
N2%

ウール賞

苗代 次郎
株希刺繍工芸
広島県 福山市


作品名 タテロン

コメント
 スーパーライトなウォーム感のあるテキスタイル。一見ツィードのようにえるが、織でも編でもなく、篠のような経糸を巧みなステッチ使いでうまく固定させている。経糸のミックス具合と、ステッチの使い方によるチェックのような視覚効果も面白い。
 

素材

(上)
W100%
(下)
N100%

勝野 利行
岩田健毛織
岐阜県 羽島市


作品名 ジャンボスラブピンツイード

コメント
 ウールの篠を織り込むという発想が面白い。発想はできても実際にもの作りをするには、かなり技術的なハードルが高い。難易度の高いものづくりをクリアした結果できた、気持ちがふんわり暖かくなるような作品である。
 

素材

W96%
N2%
Cu1%
Pe1%

桂川 登
石慶毛織
愛知県 一宮市


作品名 フェイクカシミア

コメント
 ウール
100%の紡毛使いで、限りなくカシミアに近い風合いを作り上げただけでなくナチュラルストレッチという機能性まで付加したテキスタイル。作品名は、「フェイクカシミア」だが、フェイクというより、スーパー気持ちいい風合いのテキスタイルである。 

素材

W100%

磯部 正寛
三星染整
岐阜県 羽島市


作品名 Marble Cashmere

コメント
 ログウッドのムラ染めによりカジュアルな視覚と、いつまでも触っていたいと思うカシミアの高級感ある風合いとのギャップを狙った作品。化学染料ではなく植物由来のログウッドを使うことで、風合いだけでなく色からも癒されるのではないかと思われる。

素材

Ca100%

長谷川 孝
三星毛糸
岐阜県 羽島市


作品名 Kid mohair corduroy

コメント
 キッドモヘアの素材特性を熟知して、コーデュロイという組織を選んだことで、硬い素材のキッドモヘアが心地よい反発感を持ち、上品な光沢のラグジュアリーなテキスタイル。

素材

W54.7%
KM45.3%

尾州賞

五藤 和夫
五大
愛知県 一宮市

作品名 シルクパイルふわふわ

コメント
 繊細な表面感とソフトなタッチを持ち、基本的なパイル素材でありながら、シルクの良さを充分に活かし切った上質なテキスタイルと言える。
素材

S62%
C38%

森谷 佳苗
三星毛糸
岐阜県 羽島市

作品名 Tri Dimension

コメント
 三重織でありながら、そのタッチの薄さそして透明感を感じさせる。チェックの柄表現、色使いにおいても、グレードの高いアパレル商品へ展開可能なテキスタイルとなっている。
 
素材

W57.4%
Pe23.4%
Si19.2%

五藤 貴誠
五大
愛知県 一宮市

作品名 アルパカカラミシャギー

コメント
 三重織でありながら、そのタッチの薄さそして透明感を感じさせる。チェックの柄表現、色使いにおいても、グレードの高いアパレル商品へ展開可能なテキスタイルとなっている。


素材

C45%
Ap45%
W10%

平山 備
石慶毛織
愛知県 一宮市

作品名 愛犬の思い出

コメント
 バイアスカットされたテープ状の生地を経緯に整然と配列、そしてそのテープが返ることなく製織させる高度な技術を使いながらも、自然な表情に表現されて居ることに驚きを感じる。

素材

W49%
N21%
Pe20%
C10%

水谷 光孝
みづほ興業
愛知県 一宮市

作品名 寄せ集めのリスク

コメント
 在庫の糸を利用したとの事であるが、視覚的にカラーバランスの取れたテキスタイルの表現となっており、充分に市場性があり今後においても開発の可能性を感じさせる企画である。

 

素材

W79%
Ac17%
N4%

特別賞

 久保 伸二
長大
愛知県 一宮市


作品名 ウールキュプラハニカムウィーブ 

コメント
 キュプラとウールの組み合わせによる光沢感としなやかさがミス七夕たちを華やかに彩る作品になっています。

 さらに涼感加工を加えることにより着心地にも配慮されています。

素材

W56%
Cu44%

入選

氏名 企業名 作品名 住所
1 赤澤 結花 杉野学園 ドレスメーカー学院 すきま 東京都 品川区
2 足立 聖 泣Jナーレ CN1011再生ボーダー 愛知県 一宮市
3 磯部 正寛 三星染整 Pribate Cashmere 岐阜県 羽島市
4 伊藤 武司 匠整理 シープ 愛知県 一宮市
 5 伊藤 徳彦 昭和毛織  Vintage Blanket  愛知県 稲沢市 
 6 岩田 善之 潟Cワゼン  縮みジャカード花柄  岐阜県 羽島市 
7 奥田 保栄 高橋ニット 波の華 新潟県 五泉市
8 草原の風
9 角谷 篤 京都府織物・機械金属振興センター セリシン定着生糸×シルクテープ風通 京都府京丹後市
10 茶屋 悦司 島上 祐樹 愛知県産業技術研究所尾張繊維技術センター カーボンクロス調毛織物 愛知県 一宮市
11 遠山 勝輝 個人 抽出〜銀杏の紅葉 愛知県 一宮市
12 西山 直樹 日本毛織 moonlight navy 愛知県 一宮市
13 畠山 陽子 共立織物 PETALES 群馬県 桐生市
14 日置 晃 泣Aック ベビーアルパカ ブークレー ジャージィ 岐阜県 羽島市
15 平山 備 石慶毛織 尾州の錦 愛知県 一宮市
16 古谷 稔 兵庫県立工業技術センター 乱糸乱色乱織乱柄 兵庫県 西脇市
17 安田 泰宏 Y’s TEXTILE 抽象と具象の狭間 岐阜県 各務原市
18 山本 紋華 東洋織布 「和」の極み 愛知県 知多郡武豊町
19 渡邉 忠司 個人 春の霞 愛知県 一宮市

過去の受賞作品はこちら→


学生の部
スプラウト賞(愛知県知事賞)
Blur

高塩 紗織
多摩美術大学院
東京都町田市

 カラフルな色彩が移り変わるさまが美しい作品。色の変化とフェルトの質感、組織の立体感などがバランスよく表現されている。ブライトを中心としたマルチカラーの華やかさ、工夫ある組織などさまざまなアイデアを感じる。丁寧な仕事も好感が持てる。今後は服地として使えるような作品にも期待したい

審査員 小森美穂子

                                                 


 シーズ賞
1 Encens お香

頭師 安里紗
エスモード ジャポン 大阪校
大阪府 大阪市

 見た目の印象そのままの手触りが心地よい。素材の組み合わせによって、空中に漂う煙のような軽さが美しく表現できた。

2 Beautiful cloth(ビューティフル クロス)

大須賀 彩
名古屋学芸大学 大学院
愛知県 碧南市

ポリエステルの熱可塑性を利用し、絞りで立体的にした作品。夢あふれる一品に仕上がった。軽やかさと楽しさがあり、しかも今日的な感覚を感じる。

3 本日のデザイナーの気まぐれ織り物

岩田 夕佳
名古屋学芸大学
愛知県 名古屋市

様々な意匠糸を、その時々の気分で織り込んだ作品。即興的ながら色彩に統一感があるので全体のバランスもとれている。手織りの楽しさが伝わってくる。

4 imaginative fabrics 溶ける山

富永 航
文化服装学院
東京都 小平市

 洗練された配色で大胆な柄をうまくまとめている。クリエイティブな気分にしてくれる、ハイレベルなデザインだ。
5 cosmology

近藤 芙美
文化服装学院
東京都 中野区

 渋く日本的なイメージの強い技法を用いながら、そのイメージとは逆のモダンで未来的なモチーフをよく表現できている。ブライトな色使いが楽しい。

6 NEIRO

金森 彩也夏
文化服装学院 
神奈川県 川崎市

奏でる音色をテキスタイルにした作品。様々な素材に複数のテクニックを使い、質感の違いを表現している。作者の自由でのびやかな感受性を感じさせる。今後に期待したい。

7 Garaxy

金 銀暎
文化ファッション大学院大学
東京都 新宿区

 宇宙空間を思わせる黒とラメ糸の光干渉効果のきらめきが題名のイメージをよく表現している。立体的構造による造形力もすばらしい。

8 万華鏡

公文 麻衣
川島テキスタイルスクール
京都府 京都市

ジャカードの特徴を活かし、カラフルな柄を思い切り楽しんでいる。題名どおりの色のきらめきと色の動きがよく表現されている。

9

山田 侑可子
文化服装学院
神奈川県 藤沢市

オパールと箔プリントで庭の多彩な表情を表現している。可愛い柄モチーフをシックな色彩で洗練させている。今後も様々なテクニック表現に挑戦してほしい。

10 水底で見上げた空の光と泡

今井 聡子
文化服装学院
東京都 荒川区

 一枚一枚の布を丁寧に組み合わせることで、ふわりと浮かぶ泡のような表情をよく表現できている。白と青、その重なりや空気感がさわやかで美しい。

奨励賞

氏名 学校名 作品名 住所
1 大松 本樹 文化服装学院 螺鈿 神奈川県 茅ケ崎市
2 成松 瑞穂 文化服装学院 はばたき 東京都 調布市
3 鈴木 智恵美 文化服装学院 mimic 東京都 世田谷区
4 今井 聡子 文化服装学院 半熟けもの 東京都 荒川区
5 清水 苑子 女子美術大学 decolorize 神奈川県 座間市
6 林 あゆみ 京都造形美術大学 あかいろイロイロ 滋賀県 湖南市
7 山崎 南海子 武蔵野美術大学 aimai 東京都 国分寺市
8 安東 夢生 金沢美術工芸大学 ケケケケ 石川県 金沢市
9 山崎 愛実 エスモード ジャポン 大阪校 ドット・グラデーション 大阪府 大阪市
10 近藤 明日香 川島テキスタイルスクール 京都府 京都市

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